再発見の勇壮な旅

NGOプログラムはヴィニータリー（Vinitaly）2019年の際に発足し、当年カナダ、ロシア、そして日本で５日間のワインコースや試飲会を開催した。そのワインコースは「NGO Maestro Course」と呼ばれ、カスタマイズされた教材も完備した。特に下記の３点は、参加者より好評を得た。
1. NGO講師はワインを説明するだけでなく、各ワインに込められた「ストーリー」も語る。ヨーロッパワインの製造に大きな影響を与える産地の歴史、文化、そして地理的な条件を知ることにより、参加者はより一層ワインの特徴を把握できる。
2. イタリアとスペインワインには、様々な表現や種類がある。したがって、異国の方々にわかりにくい面があるかもしれない。そのため、NGO講師は専門的な単語や表現をなるべく使わないようにする。その代わりに、個人的な体験や豆知識に少し冗談を加え、分かりやすく説明しようとする。
3. 質疑応答や個人向けサポートなど、セミナー後でもN G Oチームは参加者へサポートサービスを提供した。様々な国籍やスキルを持つNGOチームメンバーは、異文化環境で現れる問題点に非常に感受性が強い。

2020〜2021年には、NGAプロジェクトは各国5つの都市でイベントを行い、合計15つのセミナー・試飲会を開催する予定である。

プロジェクト主催者

U I V (Unione italiana vini : イタリアンワイン組合)とOIVE（Organizacion Interprofesional Del Vino De España: スペインワイン組合）はそれぞれイタリアとスペインのワイン業界を代表する協会である。 イタリア・スペインはヨーロッパ全体のワイン製造や輸出の50パーセント以上に及び、ワイン生産において世界有数の２カ国である。2018年度の統計によると、ヨーロッパのワイン生産量全体の27.97％を占めるイタリアに次いで、スペインは25.60％のマーケットシェアを占めている。PDO・PGIワインに関しては、イタリアのワイン生産はヨーロッパのワイン生産全体の30%以上に及ぶ。一方、スペインの生産量は18%を占める。

Unione Italiana Vini Servizi Soc. Coop.

1895年に成立されたUnione Italiana Viniは、イタリア最古のワイン協会である。 協同組合、ワイン専門商社やコンソルツィオなど、477つの組織から成り立つU I Vメンバーは、イタリアワイン業界の総売上の50%およびイタリアワインの輸出市場の85%に相当する。政治的役割に加え、イタリアワイン産業のニーズを満たすため、U I Vはクオリティーやトレーサビリティの改善を目指し、ワイン企業を支援する。ヨーロッパ中のワイン生産者協会を結集するComité Européen des Entreprises Vins、また適度飲酒奨励計画、「Wine in Moderationプログラム」のメンバーである。

量・価格の両面で偉大な業績を上げたワイン産業は、イタリア経済有数の産業部門である。不況の時期にも、農業・食品産業は、「メイドインイタリー」のイメージアップに貢献した。それにより、イタリアワインはイタリアの伝統や価値観を象徴し、「クオリティー」に相当するようになった。優れた感覚刺激性を持つブドウはイタリア全体の地域で栽培されており、原産地呼称制度より守られている。

イタリアのワイン部門の総売上高は139億ユーロすなわち農業・食品産業の総売上高の10％と推定される。イタリアのワイン部門は3万の農業や4万ぐらいのワイナリーから成り立っている。その中、とりわけ中小企業は優れた競争力を持ち、イタリアワイン部門にとって戦略的な資源となる。ワイン生産者と強固なネットワークを築くにあたって、協会やコンソルツィオの役割も大事である。2017年、ブドウ園として使用されている面積は695.000haすなわちイタリア全体の9％に及び、土地の種類440種やブドウ品種1200種を含む。

イタリアで造られているワインの中で、526種（DOCG74 種、DOC 334種、IGP118種）はEU原産地呼称制度より守れている。2017〜2018年度のワイン生産量は以下のようになる。
・PDOワイン：50.15%　(18,155,000.00 hl)
・PGIワイン：24.79%　(8,975,000.00 hl)
・マークなしのワイン：25.06%
したがって、イタリアワイン生産の74.94%もPDO・PGIワインから成り立ち、上昇する一方であると推定されている。

Organizacion Interprofesional Del Vino De España

Organizacion Interprofesional Del Vino De España(OIVE)とは、ワイン産業の競争力の向上を目標とする非営利組織である。2014年にスペインのワイン業界(ブドウ栽培からワイン販売にかけて)を代表する6つの組織を含む専門機関より成立された。農業食品産業団体として、 1994年12月30日法第38号で規定されており、担い手同士の強力、またその担い手の効率や透明性に貢献することを目指している。スペインでは、こういった団体の数が限られており、部門につき１つの組織のみ許されている。その許可や管理を担当するのはスペインの農林水産省である。OIVEは85%のスペインワイン業界を代表し、それの団結を促進しようとする。

世界一のブドウ栽培面積、またワイン生産量において世界第３位を誇るスペインは、世界有数のワイン生産国である。輸出量も世界のトップクラスに及ぶ。また、近年ワイン部門は、経済の面だけでなく、社会・環境の面でもますます影響力を持ち、異国でスペインのイメージと密着するようになった。ただし、ワイナリー5000軒や職人15万人を含むスペインのワイン部門は、ほとんどの部分では小企業から成り立ち、非常に分裂した状態にある。

それに、PDOワイン・PGIワインの生産許可を得た産地は、それぞれ90つと41つに及ぶ。この多様性は業界の分裂した状態に加え、影響力のある大企業、そして共通のプロジェクトをシェアする企業の成立を妨げる。このニューズを満たし、またスペインのワイン部門がシェアできるツールを提供するため、2014年にOIVEは成立された。一方、ワイン業界全体はOIVEの活動に貢献する。その貢献は、スペイン政府官報に掲載される省令で規定されている。OIVEはワインのコミュニケーション規準、また適量摂取文化の普及を促進しようとする。

また、O I V Eは業界内に知識や情報を普及し、戦略的意思決定を促そうとするプロジェクトおよび研究開発(R&D)戦略的プロジェクトを発足した。2019年から2024年の間に適用する目標や規則を更新し、異国で適量摂取や正しい情報の発信などを目標としている。

NGO Tasting App

2019年に発足されたNGO Tasting Appは、2020年に更に発展される予定です。アプリを通じて、NGOコミュニティの皆様とテイスティングノートをシェアすることができます。以下、アプリの使い方となります。