「セミナーでワインに関する最新情報を伝えようとしているけど、残れる形にしたい」。『Native Grape Odysseyシリーズ』が誕生したのは、そういった想いからです。全6巻から成り立つこのシリーズでは、イタリアとスペインの土着品種を比べ、その2カ国の高品質なワインを巡ります。第1巻は2019年9月に出版され、NGOマエストロの受講者たちに提供される予定です。
『Native Grapes Academy』の企画にあたって、それが残す『遺産』を重視しました。もちろん受講者の得る知識は最も大事な遺産ですが、「有形の遺産」も残すべきであると検討し、『Native Grape Odysseyシリーズ』を実行することとなりました。2019年9月に発行された第1巻を皮切りに、3年の間に全6巻のシリーズを創作する予定です。大変な目標だと見えるかもしれませんが、アッティーリオ・シェンツァとセレナ・イマツィオがこの挑戦を受けました。シェンツァはミラノ大学の教授で、イマツィオはブドウ栽培遺伝学の研究者であり、2人はブドウ栽培学の権威だと言っても過言ではありません。
この書籍を通じて、まるでヨーロッパを旅しているかのように、時代を超えるブドウ品種の「旅」、すなわちそれらがどのようにヨーロッパの国々へ普及したか探検することができます。第1巻はシリーズへの序文となり、架空の巡礼者とヨーロッパを歩き回りながら、様々なワイン産地が紹介されます。 第2巻〜第6巻では、イタリアとスペインの土着品種に焦点を当て、その2カ国のブドウ栽培伝統や歴史を解説します。
このシリーズの特徴は、その比較的なアプローチです。イタリアとスペインの土着品種を比較することにより、それらの伝統・遺伝的な関係を明らかにし、一層知識が深まります。「イタリアとスペインは地中海において偉大な位置を占めているから、昔から世界にとって魅力的な存在でした。そういった地中海ではいまだに輝く、共通の歴史の基礎を築いてきました」と、筆者のシェアンツァは述べています。
しかし、情報を伝えるだけで十分ではありません。筆者のシェンツァによると、「消費者の考える、思い出す、決定する基準は『ストーリー』にある。人の感情をゆさぶる、そしてS N Sでバイラルを起こす力のあるストーリーが物を言う」。正確な情報にストーリーテリングを交えると、ワインの振興は効果的だけでなく、「インスピレーション」にもなります。
今日はここまでです。しかし、NGOの物語はまだ終わっていません。次の目的地はロシアと日本です。続きが気になる方は、公式なホームページをチェックください!
【Native Grape Odyssey について】
Native Grape Odyssey(NGO)は、Native Grapes Academy(NGA)というプロジェクトのブランドである。 Native Grapes Academy(NGA)は、ヨーロッパの PDO ワインや PGI ワインを、日本やカナダ、ロシアを中心に世界へ推進することを目的とした教育プロジェクトであり、欧州連合(EU)より融資を受け、Unione Italiana Vini(UVI)と Interprofesional del Vino de Espana(OIVE)の二つの組織によって運営されている。この目的の達成に向け、日本、カナダ、ロシアの3カ国とイタリアのヴェローナにおいて、 各国で活躍されているワイン専門家やインフルエンサーを招待し、セミナーやワークショップ、B to B ミーティングを開催する予定だ。2019 年〜2022 年の3年間にわたって開催されるこれらのイベントは、 ヨーロッパの土着品種のブドウとそれらを原料として作られるワイン――中でもとりわけ長い伝統と高い品質を誇るイタリア産およびスペイン産のワイン――のイメージ向上と普及を目的としている。