2019年12月2日〜6日、アカデミー・デュ・ヴァン青山校にて今年開催予定の最後のワインコース、『Native Grape Odyssey Maestro course』東京編が開催されました。講師のRoddy RopnerとIrving Soに導かれ、参加者の中から46名が試験を合格し、『ヨーロピアンクオリティーワインヒーロー』の認定証を授与されました。100以上のワインや40社のイタリア・スペインワイナリーを集合した試飲会でイベントが閉幕を迎えました。
2019年12月6日に閉幕を迎えた『Native Grape Odyssey Maestro course』(NGOマエストロ・コース)は、『Native Grapes Academy』 (NGA)プロジェクトの本年スケジュールの最後のイベントとなりました。カナダ(9月15日〜19日)とロシア(10月28日〜11月1日)でも開催されたこのコースは、4日間にわたる講義とテイスティングから成り、認定試験も含みました。試験をパスした46名は、『ヨーロピアンクオリティーワインヒーロー』に指名され、イタリアとスペインワインに関して非常に深い知識を得たと認定されました。主催者の希望は、この人たちが日本の消費者にとって目印、すなわち日本におけるイタリア・スペインワインの代弁者になることです。
参加者はイタリアとスペインワインの専門家として選ばれました。コースの目標は、その知識を深め、調整することでした。フードジャーナリスト・料理研究家の貝谷郁子は、NGOマエストロについて 「イタリアのワイナリーを訪問したり、セミナーに参加したり、今まであちこちで集めた知識がやっと整理された感じがします」と述べました。また、「イタリア全州のワインを分析し、まだ幅広く知られていない品種も紹介するNGOマエストロのようなワインコースは、日本でなかなかありません」という意見もありました。
NGOマエストロが提供する教育プログラム、またそれに伴うワインエキスパートたちの国際的なコミュニティに参加することは、日本におけるイタリア・スペインワインの代弁者たちの育成につながります。それに関しては、NGOマエストロ東京編講師を務めたウェルスプリング・ワインズ取締役のロディ・ロプナー(Roddy Ropner)は、下記のように述べました。
「日本にはイタリアとスペインワインに関する知識が豊富ですが、市場が低迷していると思います。特にイタリアワインはほとんどレストランでしか消費されていません。私たちがやるべきことは、小売や和食レストランに売るチャンスを作ることです。だからこそ、イタリアとスペインのクオリティーワインの代弁者たちが必要です。」
スペインワインに関しては、
「過去20年間スペインワインの産業で色々な変化があり、ワインのスタイルが非常に変わりました。それは消費者にとってトラブルになることもあります。このコースでは消費者に分かりやすく製品を解説するため、深い知識を得ていただきます」
と、彼は言い添えました。
アカデミー・デュ・ヴァンのWSETエデュケーターかつNGOマエストロ講師であるアーヴィング・ソ (Irving So)も、日本市場におけるイタリア・スペインワインの状況について自分の意見を述べました。
「日本で売られているのは、大体ブルネッロやネッビオーロなど、世界的に有名なワインですが、まだ幅広く知られていない高品質のワインがたくさんあります。そこで、品種をよく知っており、イタリアとスペインクオリティーワインの大使になれるプロフェッショナルが必要です」
12月6日、ウォーク・アラウンド・テイスティング式の試飲会でイベントは閉幕を迎えました。レッスンでは原産地呼称を分析するたびに、1例を試飲した一方、試飲会では様々な生産者のワインを試飲し、異なるスタイルや製造技術を探検していただきました。また、この試飲会は100名以上のワイン専門家や業界係者を集め、滅多にいないネットワーキングのチャンスとなりました。
【Native Grape Odysseyについて】
Native Grape Odysseyとは、欧州連合に融資され、Unione Italiana Vini (UVI)と Interprofesional del Vino de España (OIVE)より管理される、カナダや日本、そしてロシアでPDO (原産地名称保護)やPGI (地理的表示保護)ワインの振興を目標とする教育プロジェクトです。この目標を達成するために、この3カ国において、およびこの3カ国で活躍しているワインインフルエンサーやワインのエキスパートをイタリアのヴェーロナに招待することによって、ワインセミナーやワークショップ、そしてB2Bミーティングを開催します。