9月15日〜19日、カナダ・トロントにてNative Grape Odyssey (NGO)マエストロ・コース、またそのウォーク・アラウンド・テイスティングが開催されました。技術的な分析を文系の要素と組み合わせたNGOの教育的アプローチは詩的な印象を与え、NGOの成功に繋がりました。
9月19日(木)に終了したNative Grape Odyssey (NGO)マエストロ・プログラムはヨーロッパ外で開催される予定のイベントの第1章で、5日間のコースと高品質なワインの試飲会を含めました。一からカスタマイズされた教材も完備し、NGO企画者は包括的な経験を提供する目標を達成したと感じています。
カナダで実行されたこの教育プログラムは、ワイン業界の様々な分野で活躍する40名のワインエキスパートを集合しました。ワイン業界に至るまでの経歴も様々です。友達のKrysta Oben(クリスタ・オベン)と提携を結び、高品質なワインの消費を広げるために会社を始めたNicole Campbell(ニコル・キャンベル)。大学で心理学を専攻した後、ワインに夢中になり、トロント支店のレストランチェーンモモフクのビバレッジディレクターになったSteve Sousa(チーブ・スーザ)。ワイン業界に至るまでの経歴も様々です。
講師Daniele Cernilli(ダニエレ・チェルニッリ)の経歴も面白いストーリーを語ります。ガンベロ・ロッソ総責任者になる以前、大学で理論哲学を専攻していたようです。しかし、彼にとって、哲学とワインは隔てた分野ではありません。「ワインを描写することは、描写できないことを描写することです。ワインは詩と技術の真ん中にあります。詩がなければ、ワインが感じさせてくれる感情を伝えることができないし、技術がなければそれに構造を与えることもできません。」
ワインに接近すれば、技術、即ちテクニックは基本的な方法論です。醸造と生産に影響を与える気象、化学的な現象、最終製品の分析、ワインの全ては科学です。ワインの特徴を説明する紙はテクニカルシートと呼ばれることも偶然ではありません。NGOマエストロコースのシラバスを作成する際に、NGO企画者は正確な分析の方法論を守りました。エデュケーション・デベロップメント・マネージャー、Rebecca Lawrence (レベッカ・ローレンス)は、次のようにNGOコースを描写しました。「NGOマエストロとは、土着品種とその地域の関係、および地中海ブドウの文化的、遺伝的な共通継承を調査し、イタリアとスペインワインを中心として、ヨーロッパ産ワインの品質の理解を基本とするコースです。産地を紹介した後、その地域こそがある品種に相応しい理由を説明します。」
ヨーロッパの土着品種の学習において、科学に加え、文化も欠かせない要素です。とりわけ、イタリアの場合はそうです。「イタリアの人間とブドウの密着した関係は、世界のどこにもない。」これは栽培学の権威、NGO教材著者、アッティリオ ・シェンツァの言葉です。カナダで使用された書籍はアッティリオ ・シェンツァが学際的なアプローチを用いて、わかりにくいヨーロッパの土着品種を解きほぐす全6冊のシーリズの第1集です。ブドウ栽培学だけではなく、歴史、言語学、人類学、神話、色々な分野の要素から成り立っています。
この学際的なアプローチを使うことには、2つのメリットがあります。まず、ヨーロッパブドウはその産地と生産者と密着した関係がありますので、その地域の歴史や文化などを勉強すれば、そのブドウこそが分かりやすくなります。第2、様々な分野を交えることによって、効率の良いストーリーテリングになり、読者の注意を喚起できます。シェンツァ氏は読者の手を取り、
時間を超える旅に連れいき、素晴らしい世界を案内します。アッティリオ ・シェンツァの言葉を借りるなら、「科学は冒険でもある」。この書籍の本当の「詩」はこれです。
しかし、これはNGOの冒険の始まりにすぎません。ロシアと日本にもNGOマエストロコースと試飲会を行う予定です。詳細はこちらへ canada.nativegrapeodyssey.com/sign-up-form/ 。
【お問い合わせ先】
Native Grape Odyssey Media Team
TEL: +390458101447
E-mail: info@nativegrapeodyssey.com
【Native Grape Odysseyについて】
Native Grape Odysseyとは、欧州連合に融資され、Unione Italiana Vini (UVI)と Interprofesional del Vino de España (OIVE)より管理される、カナダや日本、そしてロシアでPDO (原産地名称保護)やPGI (地理的表示保護)ワインの振興を目標とする教育プロジェクトです。この目標を達成するために、この3カ国において、およびこの3カ国で活躍しているワインインフルエンサーやワインのエキスパートをイタリアのヴェーロナに招待することによって、ワインセミナーやワークショップ、そしてB2Bミーティングを開催します。